購入した本

スキャナー・ダークリー (ハヤカワ文庫SF)

スキャナー・ダークリー (ハヤカワ文庫SF)

浅倉久志で復刊。(サンリオ→創元→ハヤカワ)
キアヌ・リーヴスが主役で2006年公開。
しかし、ディック原作のSF映画はかなり多いね。
あんなに病的な話ばかりで、原作読んでる人は少ないだろうに。
ブレード・ランナー」、「トータル・リコール」、「マイノリティ・リポート」、「スクリーマーズ」、「ペイチェック 消された記憶」、「クローン」


どれも1960年代頃の中短編ばかり。
半世紀も経とうというのに、ディックのテイストはやはりオリジナルなんだろうなあ。



著者略歴 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

著者略歴 (ハヤカワ・ミステリ文庫)


博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)

読んだ本

博士の愛した数式 (新潮文庫)

博士の愛した数式 (新潮文庫)


事故のせいで「記憶が80分しかもたない」元数学教授。
大事なことを忘れないために、メモ紙をスーツの上着に無造作に
クリップでベタベタと貼り付けている描写など、
なんとすれば重くなりそうな話を軽いタッチで描き出そうとしている。


博士の数学話に興味を示す家政婦さんや、小利口なその息子の3人が織り成す
毎日がリセットでスタートな日々。


残念ながら僕には「数学話」や「タイガース話」がピンと来なかったけど、
博士の微妙でいて底知れぬ苦悩がよく描かれていたように思う。
ラストの美談仕立ても許せる範囲だし、まあ、いい話です。



著者略歴 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

著者略歴 (ハヤカワ・ミステリ文庫)


事故死したルームメイトが書き残した小説を出版社に持ち込んだ主人公。
瞬く間に大ヒットし時の人になるのだが、その真相を別に知る人物がいたのだった・・・。


あらすじはこんなもの。
そんなにハラハラドキドキする訳でもなく、虚栄心ばかり強くて根拠のない自信に満ちた主人公(どこにでもいる、それこそ僕たちのような)が、
崩壊に向かって突き進んでいくように見える小説だ。
しかし、



ラストが秀逸。
この本の成している入れ子の構造」に気がつくと、その鮮やかな手腕に舌を巻く。
スキャンダル手法というか、ベストセラーの作り方みたいな、とにかく締めくくりがうまいと二割り増しで評価してしまうのだった。
面白い。