読んだ本


僕たちの終末

僕たちの終末


「終末はロケットを作って宇宙へ行こう!」な お気楽ノリの、終末地球脱出指南。


地球を壊滅させるほどの「太陽暴風」がもはや避けられないとわかった近未来の日本。
国や政府は地上にはシェルターを、軌道上には宇宙ステーションを作るのだが、それはとても皆が皆をカバーできるものではなかった。
一部の特権的な身分や、金持ち以外には果たして他に選択肢はないのか?


ということで、民間人の提唱した恒星船建造は数々の問題も孕みつつも最後の希望となって動き出した。
ただし、定員はわずか100名。その枠を巡って国家間のエゲツナイ争奪戦が始まるのだった・・・。



という政治的な駆け引きが、この物語の主眼では全くない。



結局は大人になりきれない主人公・神埼正くんの自分探しの旅だもんな。
なんというか、読むものをとても不愉快にさせてくれる主人公だし。
いつもキレっぱなしのヒロインですら、始終不機嫌にしてる。
まわりの登場人物がその二人をなだめるような構図が永遠と続くのだ。


まあ、じゃあ話は面白くないのかといったら、面白かったのだけれど。
突っ込みたいことだらけなので、言わせていただきました。


「しょれは、りくつに、わわない」


このセリフが一番沁みたかなあ。