読んだ本
- 作者: グレッグイーガン,Greg Egan,山岸真
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1999/10/01
- メディア: 文庫
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- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1999/10/01
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自分の人格をコピーして、ハードウェアで走らせられるようになった21世紀中頃。
まだ一部の金持ちにしか手が出ない不老不死の夢は、ハードという入れ物が存在することが前提であった。
しかし、「宇宙が終わろうとも永遠に存在し続ける方法」を提供しようとする奇妙な男が現れたのだった。
イーガンの凄いところは、発想の大胆さは当たり前で、それがもたらす人類の直面するであろう問題を鮮やかに見せることだ。
はっきりいって「塵理論」なる荒唐無稽なロジックは難解すぎて、僕にはピンと来ないのだけれど。
ただ例えば、「ピー」 という愛すべきキャラがいて
あまり金もなく、違法に近いようなやり方でコピーして進入し(もちろんオリジナルは死んでる)、 世界のあちこちの、その時々の一番安く買えるリソースを渡り歩き、 自分を走らせる金がないから、実行速度を17分の一とか50分の一に落としたり、 ハードウェアを必要としない平行宇宙のような新世界に潜り込んでも7000年間こそこそやってたり、 あげくの果てに、人類がそこを脱出しなくてはいけなくなった時に置き去りにされて、 人類が帰ってくると信じて、実行速度を何兆分の一にまで減速し、 標準時間で百兆年(!)が経過してたり・・・。
どんなに状況が異常でも、実に他愛もないことで悩んだり、後悔したり、
人間である以上人間らしいしがらみ がつきまとうのはなにも不思議なことではない。
かのエンターテイナーロバート・J・ソウヤーの話だっていっつも「夫婦の危機」がテーマに横たわってるし(笑)
ということでイーガンのこの本は、まさに奇想。
でも、けっこう読み易かったし、面白く読めました。