読んだ本

ハイドゥナン (上) (ハヤカワSFシリーズ・コレクション)

ハイドゥナン (上) (ハヤカワSFシリーズ・コレクション)


ハイドゥナン (下) (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

ハイドゥナン (下) (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)



はっきりいって、地震パニック映画
すこし神がかりのSF風味。
しかも、何島か沈むけど、ほとんど未然に防げた。
そんな予定調和



それでも、いい出来。



今年度の国内SFの傑作に十分なりえると思う。
欲を言えば、新たな生命の出現の行く末を少しでも(って何億年単位か)書き込んでくれたらなあ。
神の存在が身近なのもちょっとくすぐったい。
せっかくだから、神(のような存在)とのコンタクトをもっと理詰めで明かして欲しかった。
少し、読者が望む方向性とのギャップがあったかな。




クチュクチュバーン (文春文庫)

クチュクチュバーン (文春文庫)


初期筒井康隆の匂い?
うーん、ちょっと違うけど。


この作品群の絶望的なプロットはつまらなくはないが、単調すぎる。
人間を餌にする残虐な宇宙人が跋扈する地球。



だから?



になる。
筒井康隆の場合、絶望的だから「面白かった」りする。
まあ、彼は天才だから真似などできるはずはないのだけど、この本にはメッセージがない。
ただの、垂れ流しだ。
糞尿や排便のたぐいなのだけど、そういう読み方をされて平気ならこの作者の意図にかなっているんだろうな。
あまり面白くはない作品ではある。