読んだ本・漫画

ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)

ディアスポラ (ハヤカワ文庫 SF)

果ての果てまで行く話。
バクスターの『ジーリーシリーズ』にも似て。


肉体という殻を捨て去って、ソフトウェアの存在となった人類は、究極の真理を求めて遠い宇宙へと飛び立つのだった。
一言で言うとそんな感じだが、これが読めない。文字通り読み進められない。
物理世界を突き詰めると「数学」なのだ、と主人公のヤチマに言わせているほど、理論に次ぐ理論が繰り返される。
とはいえ、さまざまなタイプの人間やら、もと人間みたいのやらがワンサカいて賑やかだ。
死ぬことのないはずの彼らが、自らの存在を完了させるにいたる経緯(つまり自殺)とか、愛の交わし方、感情や感覚の削除や追加、
時間の飛躍の仕方、などなど。


解説で、大森望さんがいっているとおり、わからない箇所はバシバシ読み飛ばすのがこの本のあり方。
一応は目を通したものの、イメージのつかみにくさは天下一品。
まあ、まるで価値観の異なる30世紀あたりからいきなり物語がスタートするのだし。
ラストまで読み通せたことに、今はホッとしている。


面白いのかどうかと問われれば、面白いと答えよう。
しかし、万人向けじゃないな。



シグルイ 5 (チャンピオンREDコミックス)

シグルイ 5 (チャンピオンREDコミックス)

最近の連載漫画の中では、ピカイチ。
剣のキチガイたちによる尋常じゃない日々。残虐描写が圧巻。