1月に読んだ本(続き)


逆転世界 (創元SF文庫)

逆転世界 (創元SF文庫)

これぞSF。まさにセンスオブワンダー!
認識が世界を一変させるようなSFが昨今のはやりらしいですが(イーガンの「万物理論」しかり)、「逆転世界」に内在する世界も驚くような一発アイデアで構成されている。


「都市は常に動き続けなければならない」として、実際に都市をウインチで牽いて動かす様は、圧巻。
過去や未来に引きずりこまれながら、200年にも及ぶ放浪の日々。
崩壊の迫る都市が最後に見た真実とは!?
僕は、こういうの大好きです。


捨て童子・松平忠輝(上) (講談社文庫)

捨て童子・松平忠輝(上) (講談社文庫)

捨て童子・松平忠輝(中) (講談社文庫)

捨て童子・松平忠輝(中) (講談社文庫)

捨て童子・松平忠輝(下) (講談社文庫)

捨て童子・松平忠輝(下) (講談社文庫)

捨て童子・松平忠輝 全3巻


一週間ほど読みっぱなし。
1100ページがあっという間。
もっと、もっと読んでいたい気持ちに胸が駆られます。ああ。


その風貌から「鬼っ子」として、家康に「捨てよ」といわれた徳川家康の第6子、忠輝。
そういった処遇にまったく腐ることなく、一個の男として逞しく成長した、忠輝。
やがて彼の才能に気づいたものたちが、攻防の限りを尽くして彼の取り巻く環境に手を出し始めた。


隆慶一郎一流の「創作」が加わっているのは承知してるものの、その壮絶な生き方に、ただただ心震える。
二代将軍「秀忠」が執拗に、忠輝はおろか、父である家康をも暗殺しようとたくらむ場面。
秀忠が持てぬもの全てを持っているように見える忠輝。
25歳の身で蟄居させられた忠輝は、この当時でなんと92歳まで天寿を全うするのである。
父・家康に「死ぬなよ。生き続けて、徳川家の目の上のたん瘤であり続けてくれ」
といわれた忠輝は、家康の命を守って世にあり続けたのだった。


隆慶一郎の作品は、ラストにむかって一陣の風が吹き抜けるように心地よい。
贅沢な読書です。





団地ともお(1) ビッグコミックス

団地ともお(1) ビッグコミックス

団地ともお1〜3巻

なんでしょうか、この感じは。
「暖かい」んでしょうな。やっぱり。
こういう漫画を描ける人がいるというのは、安心だな。
笑えて泣ける。
近年読んだなかで、ベストに近いかも。