読んだ本・漫画


1・2の三四郎 11 (KCスペシャル)

1・2の三四郎 11 (KCスペシャル)


僕は、小林まことの漫画が大好きだ。
『柔道部物語』なんか、生涯好きな漫画の五本の指に入るほどだ。
だのに『1・2の三四郎は読んだことがない。(ちなみに続編の2は持ってます)



『柔道部物語』が連載中だった高校時代に、「面白いから読んでみな」と薦められたが、なんせデビュー仕立ての頃の漫画だから、辛い辛い。1巻で挫折。
当時はまだ、「少し我慢する」ということがちょっとも出来ないあわてんぼうだったので、読まないことに決めました。
それから15年。


主人公の東三四郎が高校を卒業したあたりから、話が爆発的に面白くなるらしいことがわかって、ようやくここに至り読書を決意。


地元のブックオフには、全12巻(ワイド版)が各105円で投売りされていたので、
それといっしょにデカスロン』(山田芳裕・全23巻)も1〜12巻まで大量に買い込んで帰る。これも105円。
重い。


序盤はやっぱり、変形スポ根モノ。
それでも、現在につながる小林まこと的な笑いがフッとかすめたりして侮れない。
そして高校を卒業して、横浜の鶴見に越してからの活躍は抱腹絶倒。
笑いの間を我が物にした作者の息遣いが聞こえるようだ。


話がやたら詰め込んでいて急ぎ足なのは残念だけど、作者は少年誌という制約の中で、力をつけて確かなものにした記念の漫画であることに間違いない。
小林まことは、『2』以降も『格闘探偵団』といった形で、再三彼らを登場させてもいるし、思い入れたっぷりな漫画に仕上がっている。
胸のすくような物語でした。



象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)

象られた力 kaleidscape (ハヤカワ文庫 JA)


こんな作品を80年代に書いていたなんて。
少し驚きです。
和製グレッグ・イーガンとか言われそうだけど、でもそんな感じ。
本のタイトルと同名の中篇「象られた力」は、認識によって変革する世界をアクロバティックな論理思考でぐいぐい引っ張る。
無理矢理感が心地良い。
となると、傑作の呼び声高い



も、買って読まなくちゃね。