読んだ本、読んでる本



これ、傑作だよ。


まさか戸梶がこんなSFチックで味わいのあるエンタテイメントを書き切っていたなんて。
今更ながら驚きつつ嬉しい。


世界有数の大富豪、日本贔屓のランドルフは、環境破壊の先に待ち受けている地球の破滅を救うため、金に物をいわせて12人のスペシャリストに全てを託すのだった。

普段のエゲツない戸梶節を織り交ぜつつ、しかしかなり彼なりに正攻法で勝負している作品だと思う。
とにかく飽きることなく、ラストまで引っ張っていってくれるリーダビリティにいつもの安心感を覚えつつ、なにより読んでいて楽しい。

宇宙空間で星々が互いに離れていくように、12人が散っていく壮大なラストは、ほんと久しぶりに心が打ち震えました。



ラストに違和感を覚える人がいるようだけど、多少ともSFに読み慣れている者にとっては、
理解しやすい終わり方ですっきりしていると思うんだけど。



2000年の国内ベストSFに名を連ねていないのが不思議なくらいです。




第六大陸〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

第六大陸〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

工期10年、予算1500億、建設地は月!
民間企業による月面開発計画「第六大陸」が、いま着工される!


いやあ、これも面白い。
簡単な話、これは「プロジェクトXなんだけど、もっと早く読むんだった。(まだ最後まで読んでませんが)


作者は20代とまだ若いのに、ここまで書けるとなるとこれからも大変期待してしまう。

去年の「復活の地」(全3巻)も良かったし。

復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA)

復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA)



で、いま読んでるのが、続き。
NASAが絡んできて面白くなってきた。


第六大陸〈2〉 (ハヤカワ文庫JA)

第六大陸〈2〉 (ハヤカワ文庫JA)