読書

よちみ

フリッパー掲示板から転載

11月に読んだ本


復活の地〈3〉 (ハヤカワ文庫JA)

復活の地〈3〉 (ハヤカワ文庫JA)

ハヤカワ文庫JA


この巻で終わり。はっきり言ってSFではないが、二度目の震災に対する備えとそれを乗り越えるランカベリーたち、
最後に胸のすくようなカタルシスがあって、大円団をむかえてめでたしめでたし。
大変行儀の良いまじめな話なんで、なんか嫌味の一つでも言わないといけない気がしてくるが、
ラノベライトノベル)のくくりで片付けるのはいかがなものかと。
かなり楽しく読めた3ヶ月でした。(3ヶ月連続刊行だったので)



ボーン・コレクター

ボーン・コレクター


2段組活字の長篇にも関わらず、大変読みやすい。
こういう読み物を「リーダビリティが高い」と形容するのだと思う。
話が簡単とかそういうのでなく、手を止めるタイミングを与えないやり方。
映画にもなったから、知っている人も多いだろうけど(俺はまだ観てないが)、
作中のボーン・コレクターは、骨の折れる音に耳を澄ます殺人鬼。
殺害の現場に次の殺人の予告を残していくのだが、それを追うのが元刑事であり
今は四肢麻痺となってしまったリンカーン・ライム。
彼は、首から下は左手の薬指一本しかうごかない。
・・・なんだけど、結局この話って、そのライムが蒔いた種を刈り取ってるんだよねえ。
都合よすぎる展開をどこまで楽しめるかってところはあるが、それでも娯楽小説としては、一級品だと思う。
ファンの方は、2作目の方が面白いとのことなので、「コフィン・ダンサー」早速買ってきました。
なんだかんだいって、やはりこの作者の「悪魔の涙」っていう筆跡鑑定人が主役の話も面白かったし、この作者とは相性がいいのかもしれない。
ちなみにリンカーン・ライムシリーズは現在5作目まで出ています。
面白い順は 2作目>1作目>5作目>3作目>4作目 らしい。



万物理論 (創元SF文庫)

万物理論 (創元SF文庫)

 創元SF文庫 1260円


文庫本がいつの間にか、こんな値段で出るようになってしまった。
600ページもの長篇とはいえ、値段で躊躇する人もいるかもしれないレベルだ。
イーガンは、全世界でも最先端のハードSF作家。無論、新刊は注目されてるし、一刻も早い邦訳を望まれている作家だ。(論理のアクロバッティックならイーガン、思う存分エンタ−テイメントを楽しむならソウヤーといったところ?)
出ると予告してから2年間も待たされてたので、期待に胸膨らませて読んだのだが。
特殊翻訳家柳下毅一郎さんがわかりやすく言っているけど、
「〜要するに認識によって世界を変えるという。
〜今年の海外SFは「言語によって世界を構築すること」がテーマだったということになるのではなかろうか。」
で、中身はイマイチのれなかった。残念。
同じ作者の「宇宙消失」ぐらい脳ミソとろける様なめくるめく、現実グッチャグチャ感が味わいたかったなあ。
イーガンは短編向きなんだろうか。

今読んでる本


神なき国の神々

神なき国の神々

最近読んだ漫画


「シュガー 8」 新井英樹


ある一人の、そして二人の天才ボクサーの話。しかし、新井英樹ってうまいし、えぐい。
まいど天才の話を描く曽田正人も面白いけど。「capetaカペタ」はいいけど、「昴スバル」の続きは描けなくなったままか?



バイオメガ 1 (ヤングマガジンコミックス)

バイオメガ 1 (ヤングマガジンコミックス)


あの「BLAME!」の作者の新作。独特の得体の知れない建物というか構造物を描かせたら
右に出るもののいない弐瓶勉。後半がなかなかついていけなかったが、
あれを月イチでも商業誌で連載させていたアフタヌーンは流石だ。
説明のほとんどない近未来を描いていて、セリフの無い回が多数あったし。
に比べると、はるかにわかりやすくなった「バイオメガ」は、それがいいのかわるいのかは賛否両論分かれるところだ。面白そうだけど。



ヒストリエ(1) (アフタヌーンKC)

ヒストリエ(1) (アフタヌーンKC)

ヒストリエ(2) (アフタヌーンKC)

ヒストリエ(2) (アフタヌーンKC)


1と2巻の同時発売。大傑作「寄生獣」を描いた後も、寡作ながら良質のマンガを描いていた作者。このヒストリエ古代ギリシアあたりの歴史モノを描いている。
富裕層の子供から一転、奴隷の身に落ちてしまったエウメネスがやがて、アレクサンダー大王の書記官になるまでを綴ることになるのだろうが、早く続きが読みたい。
俺は、高校以来週刊誌で読むという習慣を捨て、単行本でまとめて読まないと駄目な体になったので、我慢するしかないのであった。

12月購入予定の本


「USAカニバケツ」町山智浩 太田出版
キョウコのキョウは恐怖の恐諸星大二郎 講談社