セドリ屋気分

sanma19732004-12-17

9日間連続フル出勤中。


毎日フラフラで、体が悲鳴を上げてます。
一番辛いのは、次の休みが未定なこと・・・。
あーあ。
そんな中、帰り道すがら体に鞭打ってでも本屋やら古本屋やらに行くのが
唯一の楽しみなのでした。


久しぶりに日吉にある「吉野家」に入って、「牛焼肉丼」なる中途半端な
食べ物を流し込んだあと、フラリ入った古本屋「Y」。
この本屋のポリシーのない品揃えに俺はほとほと愛想を尽かしていたのだが、
ある予感をいつも持っていた。


とにかく、無難なのである。しかも、経営者の販売心理がもろに「ブックオフ」的。
新刊は高い。対して古い本は、安くなければ売れないと信じている。
価値観を捨てた古本屋。
絶対そういった論理の元に行われているとしか考えられないラインナップなのだ。
眺めるのにこれほどつまらない古本屋もない。


でも、この場所でいつか「出物」が出る、その予感がまずこの一冊から始まった。




花輪和一「護法童子」1(双葉社)  500円


すでに持っているので、未読の方のために残そうとも思ったが、一応買っておく。
(ちなみに5年前位に、全2巻3000円で購入している)


腹にメシがたまっているので、店内くつろいで見回していると、
違和感がある棚にしばらく目が釘付け。


おかしい、絶対おかしい。
いや、すげえ、おかしい。


たまに、「まんだらけ」とかのガラスケースの中に、6冊で1〜2万円とかで
並べられているようなタイトルが、バラバラの冊数であるものの、目の前にある。




オバケのQ太郎」(新装版)2 5 6(小学館 てんとう虫コミックス 全6巻)


「新オバケのQ太郎」(新装版)1 4 (小学館 てんとう虫コミックス 全4巻)


5冊ともそれぞれ250円だった。
ちょっとした漫画専門店なら10倍の値段がついててもおかしくないほどだ。



大体、誰もが知っている藤子不二雄の代表作「オバケのQ太郎」は、二人のコンビが
完全に分かれて執筆する前の共同作品。
(さらには当時、石ノ森章太郎も加わっていた。「新」からは藤本弘のみの単独作品)


知らない人はまったく知らないだろうが、いまこの作品を読める機会はほとんどない。
おそらく20年前くらいの刊行を最後に、権利関係などの問題もあって全て絶版となっている。
そんなこんなで、プレミア度は群を抜いて高いのだ。
読みたくてもかなり金額をつぎ込まなければ読めないような漫画というのもつまらない話だが、
事実として現状では、そしてこれからもその傾向は続くと思われる。


ということで、まるで「セドリ」(本の背表紙だけ見て、格安のプレミア本を買い、
価値のわかる本屋に転売することを生業としている人たち)のような気分を味わいました。
愚痴をこぼしながらも一生懸命仕事している僕へのクリスマスでしょうか。


しかし、こんなこと滅多にないよ、ほんと。



ついでに言いますと、
藤子不二雄A「忍者ハットリくん」3 7 8 10 12 15 16 
小学館 てんとう虫コミックス 全16巻)各250円×7冊

藤子不二雄ランドの「キテレツ大百科」4 「ドラえもん」11
も買っています。(セル画付)各250円×2冊

特に「キテレツ大百科」の4巻は、てんとう虫コミックス未収録分が3話もあり、
その価値は高いです。カバーがかなり傷んではいるけど。